法人本部設立趣意書

 「横須賀の福祉を推める会」は、20数年前知的障害のある子どもを持つ親や福祉関係者が集まり、障害が重くても地域で暮らすためのシステムづくりをめざして、学習会や意見交換の場をつくってきました。
 「早期療育システムを考えるシンポジューム」を開催したり、専門家や福祉関係者、親でプロジェクトチームをつくり「横須賀市障害者計画」を会独自で作成をし、障害があっても地域で暮らすための親の願いを、行政の施策に反映できるよう提案をしてまいりました。

 しかし、学習や行政に対しての要望だけではなかなか進まない実態の中で、必要なサービスを自分達で実践していくことを決め、実践を通して生じた具体的な問題を明らかにして、運動を進めることも併せて行ってきました。
 体験型グループホームを経てのケアホームの運営やガイドヘルプサービスの実施は、地域で暮らすために必要なサービスを自らが実践する中で、「こんなサービスがあったらいいね」と言う願いを実現していくための取り組みでした。また、暮らしの場と共に必要な、働き・活動する場としての地域作業所の運営も行い、養護学校卒業生の進路先を保障できる新たな活動の場も作ってきました。

 しかし、NPO法人では、新たな事業の展開するための資金の蓄積がしにくいことなど、必要なニーズに応じた事業拡大をするには、制度的に限界があることが、事業運営の中で明らかになりました。わたしたちは障害のある人達の、「住み慣れた地域で暮らしたい」という願いと、「自分が大切にされ、社会の中で自分の居場所・役割が明確化された環境で、自分らしく生きたい。」と言う思いを実現する地域に必要な社会資源を作っていくには、社会福祉事業を社会的な役割とする社会福祉法人を立ち上げていくことが必要であると考えました。わたしたちは、これまでのNPO法人横須賀の福祉を推める会が築いてきた地域づくりの運動は、NPO法人を存続させさらに発展させていくと共に、社会福祉事業を継承しながら、別組織の新たな社会福祉法人を設立して、横須賀の地で新しい役割を担っていきます。

 そして、法人としての願いは、本人を中心として親や福祉職員や行政の関係者と共に、永続性とその実現に努力して行きたいと思います。
 私達は、障害があっても自分の生まれ育った環境で、当たり前の暮らしができる地域づくりをめざし、個々のライフステージに応じた障害の種類・程度にかかわらない、自分らしい生活を営むための支援を惜しみません。

 どうぞ社会福祉法人 なないろ設立の趣旨をご理解いただき、設立に際し、物心ともにご支援くださるよう、心よりお願い申し上げます。

2010年 7月 吉日